複数形の作り方
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まず、複数形を学ぶ前にやっかいなことから説明します。 以前一度少しだけ説明しました。 Ce train est mignon. ス トラン エ ミニョン・ この電車はかわいい Cette voiture est mignonne. セットゥ ヴォワチュール エ ミニョーヌ・ この車はかわいい。 train (電車)は男性名詞です。 voiture (車)は女性名詞です。 Ce は「この」という意味ですが、女性名詞の前に置きたい時、cetteに変わってしまいます。 mignon は「かわいい」という意味ですが、女性名詞に使う時、mignonneに変わってしまいます。 Il は「彼」という意味で、Elle は「彼女」という意味ですが、フランス語ではIl と Elle が人とは限りません。物の場合もあるんです。 Il est mignon. イ レ ミニョン・ 彼はかわいい。 Elle est mignonne. エ レ ミニョーヌ・ 彼女はかわいい。 ただ単にこの文があった時、彼や彼女という人が美しいのかもしれませんし、あるいは電車や車が美しいと言っているのかもしれません。判別できません。 フランス語の名詞は必ず男性名詞か女性名詞に分かれ、文法上、本当に「男」と「女」と見なされます。 さて、再び同じ例文に戻ります。 Ce train est mignon. ス トラン エ ミニョン・ この電車はかわいい Cette voiture est mignonne. セットゥ ヴォワチュール エ ミニョーヌ・ この車はかわいい。 ここで注目して欲しいのが est です。 これはêtreという動詞が活用したものです。英語のBe動詞に当たります。 êtreの活用を見てください。
例文ではどちらもestが使われています。 Ce trainは男です。なので男と見なされ、il (彼)と同じestが使われています。 Cette voitureは女です。なので女と見なされ、elle(彼女)と同じestが使われています。 なのでtrain(電車)が複数形になると、「彼ら」であるsontが使われます。 同じく、voiture(車)が複数形になると、「彼女ら」であるsontが使われることになります。 次に、「この」という意味で使っていたce(ス)とcette(セットゥ)なのですが、 これが複数形になるとces(セ)に変わります。 複数形だと男女の差はなく、どちらもcesです。 そして、trainとvoitureなのですが、複数形になる時、これらの後ろにsが加わります。 それぞれ trains voitures となります。 さらに、「かわいい」という意味のmignon(ミニョン)とmignonne(ミニョーヌ)ですが、これらの後ろにもsが加わります。 それぞれ mignons mignonnes になります。 まとめますと、 Ce train est mignon. ス トラン エ ミニョン・ この電車はかわいい Cette voiture est mignonne. セットゥ ヴォワチュール エ ミニョーヌ・ この車はかわいい。 が複数形になると、以下のように変わります。 Ces trains sont mignons. セ トラン ソン ミニョン・ この電車たちはかわいい Ces voitures sont mignonnes. セ ヴォワチュール ソン ミニョーヌ・ この車たちはかわいい。 ただ複数形にするだけなのにこれだけ複雑で申し訳ありません。 単語の終わりの子音は読まないことが多いので、sが後ろに加わっても、trainsもvoituresもmignonsもmignonnesも発音はそのままです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ では、今度は違う文を一緒に複数形にしてみましょう。 Le vin est beau. ル ヴァン エ ボー・ そのワインは美しい。 La table est belle. ラ ターブル エ ベッル・ そのテーブルは美しい。 LeとLaは「その」という意味です。英語のTheに当たります。 フランス語では男性名詞の時「Le」、女性名詞の時「La」を使います。 これらが複数形になると、Les (レ)に変わります。 次にvin(ヴァン)はワイン、table(ターブル)はテーブルです。 複数形になると、それぞれ後ろにsが加わります。vinsとtablesに変わります。 次のestは、どちらもsontに変わります。 さて、最後のbeauがbelleが問題です。 これが beaux(ボー)とbelles(ベッル)に変わります。 bellesはいいとして、なんでbeausじゃなくてbeauxになるの??? なんででしょう? 元をたどれば歴史的な変化があったのかもしれません。 最後がeauで終わっている単語は全て、複数形になるとauxに変わってしまいます。 なので正解は、 Les vins sont beaux. レ ヴァン ソン ボー・ そのワインたちは美しい。 Les tables sont belles. レ ターブル ソン ベッル・ そのテーブルたちは美しい。 となります。 beauを複数形にするとbeauxになるようなケースは他にもたくさんあります。 例えば、水。 eau(オー) 複数形になるとeaux(オー)です。 couteau(クトー・ナイフ) 複数形になると couteaux(クトー) です。 その他nouveau(ヌヴォー・新しい)→nouveaux(ヌヴォー・新しい)となります。 最後がeu、alで終わる単語も複数になるとxが加わります。 jeu(ジュ。遊び)→jeux(ジュ・遊び) cheval(シュヴァル・馬)→chevaux(シュヴォー・馬たち) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 文に動詞がある場合も同じ理論で複数形にすることができます。 次の文を一緒に複数形にしてみましょう。 Le nuage avance lentement. ル ニュアージュ アヴァンス ラントゥモン・ その雲はゆっくりと進んでいる →それらの雲たちはゆっくりと進んでいる まず、Le が Les に変わります。 次に nuage(ニュアージュ・雲)の後ろにsが加わります。nuage→nuages 次に、avance(アヴァンス・進む)ですが、原型はavancer(アヴァンセ)で、er動詞です。 (補足説明:フランス語にはer動詞、ir動詞、不規則動詞の3種類の動詞があります。フランス語は主語によって動詞の形が変わってしまいます。=動詞の活用。復習したい場合はここ。) avancerの活用は以下の通りです。
Le nuageは男性名詞なので男と見なされ、Il (彼)と同じ活用を用います。 しかし、複数形になったので、Ils (彼ら)と同じ活用を用います。 よってavanceはavancentとなります。 最後のlentement(ラントゥモン・ゆっくりと)なのですが、 副詞は複数になっても変化を起こしません。なのでlentementのままで大丈夫です。 まとめますと、 Le nuage avance lentement. ル ニュアージュ アヴァンス ラントゥモン・ その雲はゆっくりと進んでいる は複数形になると、 Les nuages avancent lentement. レ ニュアージュ アヴァンス ラントゥモン・ それらの雲たちはゆっくりと進んでいる となります。 複数形の基本ルール ・LeやLaはLesになる。CeやCetteはCesになる。☆ (その他所有を表す形容詞:「私の」「きみの」「彼の」「私たちの」「あなたの」「彼らの」 mon, ma→mes, ton, ta→tes, son ,sa→ses, notre→nos, votre→vos, leur→leurs) ・名詞は最後にsが加わる。(例:train→trains) ・形容詞は最後にsが加わる。(例:mignon→mignons) ・動詞は「彼ら」「彼女ら」の活用を使う。(êtreも動詞です。) ・副詞はそのまま。 ☆Ce はそれ自身を名詞として用いた場合、そのままになる。 Ce sont des chaises. (それらは椅子です。) Cette chaise (その椅子)のように、名詞の前に置かれる時はces になる。 |
難しいので ここでは省略した複数形のルール
・過去分詞が受身として使われた場合(形容詞として使われた場合)、最後にsが加わります。
J'ai été attaqué. 私は攻撃された。
Nous avons été attaqués. 私たちは攻撃された。(attaqué→attaqués)
「攻撃される」、と過去分詞が受身として使われています。
この時、過去分詞は「形容詞」と見なされるので、sが付きます。
その他の例:
Je suis marié → Nous sommes mariés 私は結婚している→私たちは結婚している
Je suis touché → Nous sommes touchés 私は触られる→私たちは触られる
Je suis arreté par la police. → Nous sommes arretés par la police. 私は警察に逮捕される→私たちは警察に逮捕される
Je suis désolé. → Nous sommes désolés. 私は申し訳ありません。→私たちは申し訳ありません。
同じく、過去分詞が受身になって、形容詞として働いているのでsが付きます。
過去分詞が普通に過去形として使われる場合、複数になってもsは付きません。
(形容詞としての働きをしない場合sは付きません。)
例
J'ai mangé sushi.(私は寿司を食べた。)
Nous avons mangé sushi.(私たちは寿司を食べた。)(mangéは変わらない。)