簡単なフランス語講座+α

5分で終わるフランス語講座





前回はフランス語の基礎中の基礎を学びました。
今回はその基礎について、もう少し詳しく学びましょう!
今回も5分で終わります。(たぶん)



基礎4 男性名詞と女性名詞で何が変わるのか?


前回の基礎2で、フランス語の名詞(物の名前)は全て、男か、女に分かれることを説明しました。
例えば、テーブルは「女」で、タンスは「女」で、カメラは「男」で、本は「男」です。
正確にはこれを「男性名詞」「女性名詞」と呼びます。
どの名詞が男性で、どの名詞が女性かは、残念ながら暗記するしかありません。
辞書で名詞を調べると、その名詞が男性名詞なのか女性名詞なのかがきちんと書かれているので、できるだけ覚えるようにしましょう。
:名詞の横に「男」「女」と漢字で書いてある場合もありますし、m(=男)、f(=女)とアルファベットで表記してあることもあります。

フランス語では、名詞が男性名詞なのか、女性名詞なのかで、少しだけ文が変わってしまいます。
何が変わるのかというと、名詞の前に置くことになっている「冠詞」が変わります。
「冠詞」って何?というと、簡単に言えば、英語の
athe のことです。

This is a pen. のように、英語でも pen の前に a を置くでしょ?これをフランス語で書くと

C'est un stylo.
(セ・タン・スティロ)
です。

un アン が英語の a に当たる部分です。
ちなみに
C'est (セ)が Ce est の省略で、英語の This is に当たります。
stylo(スティロ) が英語の pen です。
語順が英語と全く一緒なのにお気づきいただけると思います。




それで、stylo(スティロ)=pen なんですが、styloは男性名詞です。
なので冠詞は
un アンになります。
それで、もしもstyloが女性名詞ならば、冠詞はune ユンヌ に変わります。

このように、名詞が男か女かによってun アンなのか
une ユンヌなのかを変えていかなければなりません。
フランス語
では名詞の前には必ずun (アン)か une (ユンヌ)を付けなければならないというルールがあります。(例外あり。)

つまり、上の文では 
stylo (スティロ・鉛筆) が男なのか女なのかわからないと、
(styloの前に) 
un (アン)を付ければいいのか une (ユンヌ)を付ければいいのかわからないんです。

名詞が男か女かを知る方法は、辞書を引くしかありません。

試しに辞書を持っていたら
stylo を調べてみてください。
おそらく辞書の始めに「男」と書かれているはずです。あるいはmと書かれている辞書もあるかもしれません。
m=男、f=女です。

これは男性名詞ですよということを示しています。

男性名詞か女性名詞かは子供のフランス人はすごくよく間違えます。
子供たちは徐々に徐々にどの単語が男でどの単語が女かを間違えながら覚えていきます。
私たちも同じように、間違えながら徐々に覚えていくしかありません。


会話の場面では辞書で調べてる時間はないので、とりあえず男性名詞にしておきましょう。
間違えても大した問題ではありません。通じます。最初はごまかすしかありません。



基礎5 動詞の活用を覚えよう。



基礎3で、フランス語では「主語によって動詞が変わる」ということを書きました。
そして動詞がどう変わるかは、暗記するしかないと書きました。

そう。暗記するしかないのですが、
フランス語には完全に暗記するしかない動詞も存在しますが、必ずしも暗記しなくても良い
(一定の規則に基づいて変化する)動詞も存在します。
そういった規則的に変化してくれる動詞を「規則動詞」と呼びます。

実は、ほとんど全ての動詞は「規則動詞」です。
一度法則を学んでしまえば、暗記が必要ありません。
暗記するしかどうしようもない動詞のことを「完全不規則動詞」と呼びますが、実は4つしかありません。

規則動詞は規則的な変化なので、変化の規則さえを覚えてしまえばフランス語力が大幅アップで、
もはやどんなフランス語でも書けるようになります!


ここで規則動詞のルールを一気に覚えてしまいましょう!

ポイント

動詞には
変化が規則的な「規則動詞」と
変化に全く規則性のない「不規則動詞」がある。(しかも実は4つしかない。)


まず、参考までに、
暗記するしかない鬱陶しい動詞=不規則動詞 と言われるものを見てみましょう。

☆一番上に示しているものが動詞の原型です。
下に主語、そして主語によって動詞がどう変化するのかを示しています。


           不規則動詞の例:

aller(アレ)  意味:行く
主語    動詞(aller)
Je      私 (ジュ)    vais  行く (ヴェ)
Tu      君 (チュ)    vas  行く (ヴァ)
Il       彼 (イル)    va   行く (ヴァ)
Elle     彼女 (エル)    va   行く (ヴァ)
Nous    私たち (ヌ)    allons 行く (アロン)
Vous    あなた (ヴ)    allez  行く (アレ)
Ils      彼ら (イル)    vont  行く (ヴォン)
Elles     彼女ら (エル)    vont  行く (ヴォン)


動詞のつづりに注目して頂きたいと思います。
vaisとかvasとかallonsとかです。
これ全部同じ動詞なんですよ。
全部同じ動詞なのに、主語が変わるだけで動詞が全く違っているのがお分かり頂けますでしょうか?。
これが不規則動詞なんです。
この aller (行く)に関しては規則性が全くないので、まさに丸暗記するしかありません。
暗記しないと書けません。そして喋れません。
これが不規則動詞です。

次は規則性のある動詞を見てみましょう。


             規則動詞の例:

aimer(エメ)  意味:愛する
主語    動詞(aimer)
Je     私      (ジュ)    aime   愛する (エム)
Tu     君      (チュ)    aimes  愛する (エム)
Il      彼      (イル)    aime   愛する (エム)
Elle    彼女     (エル)    aime   愛する (エム)
Nous    私たち   (ヌ)    aimons 愛する (エモン)
Vous    あなた   (ヴ)    aimez  愛する (エメ)
Ils      彼ら    (イル)    aiment 愛する (エム)
Elles    彼女ら   (エル)    aiment 愛する (エム)


動詞の欄を見てください。
さっきの動詞よりちょっとはましだと思いませんか?
主語による違いは、動詞の最後の部分だけです。
これならギリギリなんとかなりそうです。

よく見てほしいのですが、最初の aim までは主語が何であっても共通しています。
(「行く」の例では完全に共通点がないです。)
この、主語が何であっても共通している部分を「語幹」と呼びます。

そして、語幹の後ろでそれぞれが色々変わってしまう部分(eやesやeやonsなど)のことを
語尾と呼びます。
これが大事です。

フランス語の規則動詞の規則の秘密。
それは
「語幹は主語が何であっても変化しないけれど、語尾は主語によってそれぞれ変化する。」
ということです。
つまり、語尾の変化さえ覚えてしまえば、どんな動詞でも対応できます。

フランス語では全く規則性のない動詞(完全不規則動詞)は4つしかありません。
ほとんどの動詞は上記と同じような規則を持って変化します

なので一度動詞の活用の規則を覚えてしまえばもうそれで終わりです。


それで実は規則動詞は2パターンあります。
ひとつは上記の aimer のような 「er 動詞」と呼ばれるもの。
もう一つは finir など 「ir 動詞」 と呼ばれるものです。
動詞が er 動詞 なのか ir 動詞 なのかは、動詞の原型の最後の2文字を見ればわかります。

ir 動詞の例を見てみましょう。


finir(フィニール)  意味:終える
主語    動詞(finir)
Je     私      (ジュ)    finis    終える (フィニ)
Tu     君      (チュ)    finis    終える (フィニ)
Il      彼      (イル)    finit    終える (フィニ)
Elle    彼女     (エル)    finit    終える (フィニ)
Nous    私たち   (ヌ)    finissons 終える (フィニソン)
Vous    あなた   (ヴ)    finissez  終える (フィニセ)
Ils      彼ら    (イル)    finissent 終える (フィニス)
Elles    彼女ら   (エル)    finissent 終える (フィニス)


aimer は最後がerです。だから er 動詞です。finir は最後がirです。よって ir 動詞です。

er 動詞 も ir 動詞も、主語が何であっても変化するのは語尾です。
er 動詞は皆、語尾が同じ変化をします。どんな動詞でも同じ変化です。
ir 動詞は皆、語尾が同じ変化をします。どんなir動詞でも同じ変化です。

言葉で聞くと難しいですが、例を見ると簡単です。
それぞれご覧ください。
(語幹と語尾の間に - を入れます。)


er 動詞


aimer(エメ)  意味:愛する
主語    動詞(aimer)
Je     私      (ジュ)    aim-e   愛する (エム)
Tu     君      (チュ)    aim-es  愛する (エム)
Il      彼      (イル)    aim-e   愛する (エム)
Elle    彼女     (エル)    aim-e   愛する (エム)
Nous    私たち   (ヌ)    aim-ons 愛する (エモン)
Vous    あなた   (ヴ)    aim-ez  愛する (エメ)
Ils      彼ら    (イル)    aim-ent 愛する (エム)
Elles    彼女ら   (エル)    aim-ent 愛する (エム)


                aim が語幹。後ろが語尾です。

commencer(コマンセ)  意味:始める
主語 動詞(commencer)
Je     私      (ジュ)    commenc-e    始める (コマンス)
Tu     君      (チュ)    commenc-es    始める (コマンス)
Il      彼      (イル)    commenc-e    始める (コマンス)
Elle    彼女     (エル)    commenc-e    始める (コマンス)
Nous    私たち   (ヌ)    commenç-ons   始める (コマンソン)
Vous    あなた   (ヴ)    commenc-ez    始める (コマンセ)
Ils      彼ら    (イル)    commenc-ent   始める (コマンス)
Elles    彼女ら   (エル)    commenc-ent   始める (コマンス)


          commenc が語幹。後ろが語尾です。

「語尾」に注目してください。

どちらもer 動詞 です。なので主語によっての語尾の変化がどちらも全く同じです。
最後が er で終わっている動詞は全て語尾が同じように変化します。

appeler (呼ぶ)、 acheter (買う)、manger (食べる)、などなどです。

この語尾の部分を暗記します。
e, es, e, e, ons, ez, ent, ent....
エ エス エ エ オンス エズ エント エント・・・
と私も最初はつぶやいて覚えました。

ここだけでいいので、丸暗記をお願いします。

次は ir 動詞の例です。


ir 動詞


finir(フィニール)  意味:終える
主語    動詞(finir)
Je     私      (ジュ)    fin-is    終える (フィニ)
Tu     君      (チュ)    fin-is    終える (フィニ)
Il      彼      (イル)    fin-it    終える (フィニ)
Elle    彼女     (エル)    fin-it    終える (フィニ)
Nous    私たち   (ヌ)    fin-issons 終える (フィニソン)
Vous    あなた   (ヴ)    fin-issez  終える (フィニセ)
Ils      彼ら    (イル)    fin-issent 終える (フィニス)
Elles    彼女ら   (エル)    fin-issent 終える (フィニス)


                前が語幹。後ろが語尾です。

abolir(アボリ)  意味:廃止する
主語    動詞(abolir)
Je     私      (ジュ)    abol-is    廃止する (アボリ)
Tu     君      (チュ)    abol-is    廃止する (アボリ)
Il      彼      (イル)    abol-it    廃止する (アボリ)
Elle    彼女     (エル)    abol-it    廃止する (アボリ)
Nous    私たち   (ヌ)    abol-issons 廃止する (アボリソン)
Vous    あなた   (ヴ)    abol-issez  廃止する (アボリセ)
Ils      彼ら    (イル)    abol-issent 廃止する (アボリス)
Elles    彼女ら   (エル)    abol-issent 廃止する (アボリス)


            前が語幹。後ろが語尾です。

語尾に注目してください。

最後が ir で終わっている動詞は全て語尾が同じように変化します


is, is, it, it, issons, issez, issent, issent...
イス イス イットゥ イットゥ イソンス イセズ イセント イセント・・・
と、この部分を暗記する必要があります。





er 動詞と ir 動詞の語尾の変化を丸暗記しておけば、フランス語の文章をすらすら書けるようになります。
基本的にはもう活用に困りません。どんな文も書けます。

逆に、語尾を丸暗記していない人は、いつまでたってもフランス語をうまく書けません。

er動詞とir動詞の語尾の活用を丸暗記するのは算数の九九を丸暗記するのと同じようなもので、大変ですがここは無理にでも丸暗記する必要があります。
九九をちゃんと暗記した人はその後も算数の授業についていけますが、ちゃんと暗記しなかった人は、その後の算数で苦しい思いをしたと思います。
er動詞とir動詞の語尾の暗記はそんなようなものです。

と、いうわけで・・・

以下に er 動詞と ir 動詞の、主語ごとの語尾を示しますので我慢して丸暗記しましょう!
今は無理やり覚えることに苦痛でしかありませんが、この苦痛が、あなたの将来のフランス語に必ずや実を成します。
ガンバレ!

      まとめ

↓ここを覚えろ ↓ここを覚えろ
主語 主語の意味  er 動詞の語尾  ir 動詞の語尾
Je    (ジュ)  -e  -is
Tu    (チュ)  -es  -is
Il     (イル)  -e  -it
Elle   (エル) 彼女  -e  -it
Nous   (ヌ) 私たち  -ons  -issons
Vous   (ヴ) あなた  -ez  -issez
Ils     (イル) 彼ら  -ent  -issent
Elles   (エル) 彼女ら  -ent  -issent




終わり!


簡単なフランス語講座+α、いかがでしたでしょうか?できる限りわかりやすく説明してみました。(5分以上かかっちゃいましたよね?すみません。)
さて、ここまでフランス語を学んだら、次は何を学ぶかと言うと、
「過去形の作り方」、「未来形の作り方」、「不規則動詞の丸暗記」など、もうしばらく基礎を学んだ後に、「読む」「書く」「聞く」「話す」の実践トレーニングに移ります。


新  フランス語講座の続きを作りました。

本格的に学ぶ!
簡単なフランス語講座



↑元々はここまでで終わりの予定でしたが、基礎をしっかり学ぶためのフランス語講座の続きを作りました。ぜひご覧ください。


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注: 本当はer 動詞のことを第一群規則動詞と呼びます。ir 動詞のことを第二群規則動詞と呼びます。わかりにくくなるのであえて触れませんでした。







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動詞の活用が分からないとき、瞬時に表示してくれます。非常に便利です。ご活用ください。







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