ストラスブールの
PASS MOBILITE 複合定期券

   


トラム + バス + Velhop(自転車)+ カーシェアリング + 駐車場 + 駐輪場

の年間複合券です。トラムもバスも自転車も、そして自動車も好きなように乗ることができます。ちょっとわかりにくいのですが、かなり安いと思います。
詳しく説明してみたいと思います。

まず、プランが2種類あります。
・Liberte
・Premium

名前で分かるかと思いますが、Premiumの方がちょっとだけ高い代わりに、選択肢が広がるということです。

 Liberte  Premium
 トラム・バス 年間無制限 利用可
4200台以上の駐車場利用可(parkings-relais)
自転車駐車場利用可(veloparcs)
 トラム・バス 年間無制限 利用可
4200台以上の駐車場利用可(parkings-relais)
自転車駐車場利用可(veloparcs)
 Velhopの利用 貸し自転車
1時間0.20€
12時間1.00€
 Velhopの利用 貸し自転車 無制限 利用可
 カーシェアリングCITIZ
Basique の価格で利用可
+ 使用費
 カーシェアリングCITIZ
Classique の価格で利用可
+ 使用費
 値段 年間使用料  値段 年間使用料
 19-25歳 288€  19-25歳 384€
 26-64歳 504€  26-64歳 588€
 65歳以上 264€  65歳以上 360€



さて、まずなぜ安いと言えるのか?
ストラスブールの住民はほとんどの人がバス・トラムの月の定期券を買っているわけです。
これが月46.40€かかります。(26-64歳の場合)
しかし、このPASS MOBILITEを利用すれば、
Liberteなら月当たり42€、Premiumでも月当たり49€でバス・トラムに乗り放題です。
そして、それに加えて、レンタカーも自由に使えて、自転車も自由に使えるということです。
値段が年間の値段なので高く感じてしまいますが、相当に安い値段です。

参考までに、貸し自転車Velhopの年間使用料は151€
カーシェアリングCITIZの年間使用料は60€です。
(*basiqueの場合。classiqueだと132€)


CITIZやVelhopの詳しい情報は下記をご参照ください。

カーシェアリング CITIZ の詳しい情報はこちら。



個人的感想:
ストラスブールは1990年代以降、いかに車を街から排除するかという政策を進めてきました。車が増えれば増えるほど違法駐車は増え、よりたくさんの駐車場を必要とし、街は排気ガスで汚れ、観光へマイナスイメージを作ります。
車が増えることは市にとってけして嬉しいことではありませんし、また市民にとっても住みよい街とはなりません。
そこでストラスブールはトラムを始めとする画期的な交通政策を行ってきました。
このPASS MOBILITEもその流れを汲む政策の一つなのですが、なかなか思い切ったことをやるものだと感心しました。
値段が本当に安いです。ここまで安いと、自家用車を持つのがばからしくなります。
自家用車にかかる費用は毎月400€を越えると言われています。(車庫+保険+修理+ガソリン)
一方、ストラスブールは街の中心に車で非常に行きにくくなっているので、半ば強制的に46.40€の月の定期券を買わなければならない感じになっています。
その46.40€よりも安い42€という価格で、トラムもバスもレンタカーも自転車も乗れるというのはすごいことです。
実は、その46.40€の定期券ですが、この値段で財政はすでに赤字になっているんです。
それをさらに上回る値段を提示してきたということは、
本気で「自家用車の使用をやめてください」というストラスブール市からのメッセージです。
さすが、フランスナンバーワンのエコシティの名はだてじゃないなと思いました。
その政策がいつか実を結んで、車の数が半数くらいになったらもっと住みよい街になりそうですね。


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